<漢検協会>「新漢検」通称に待った 「混同の恐れ」
「新漢検」として漢字習熟度検定を始める「日本漢字習熟度検定機構」(東京都千代田区)に対し、「漢検」として漢字検定を行っている「日本漢字能力検定協会」(京都市)が、「新漢検」の通称を使わないよう申し入れていることが分かった。機構は6月17日、特許庁に「新漢検」の商標登録を出願したが、協会は「類似し混同の恐れがある」と指摘する。協会は「漢検」の商標すべてを所有しているわけではなく、名称を巡る混乱はしばらく続きそうだ。
機構は兵庫県の高校教諭OBらで構成。検定は10月から実施予定だったが、準備が遅れ12月にスタートすることになっている。
機構によると、協会は6月22日付で文書を郵送してきた。「機構が漢字検定事業を実施することに異議を唱えるものではない」としつつ、通称やホームページのドメイン名(shinkanken.com)は容認しがたいと主張したという。
一方、機構は同30日付の文書で「新」の文字をつけ、通称に「0からスタートの」と添えて差別化を図っており、混同の恐れはないと反論。「不正競争に当たらず、通称は変更しない」と回答した。
特許庁によると、「漢検」を含む商標は95年以降、59件登録され、うち31件は前理事長=背任罪で起訴=が代表を務める関連会社「オーク」が所有。協会が無償譲渡するよう求め交渉中という。
協会側は毎日新聞の取材に「新理事長就任後、『新生漢検』を掲げて事業を進めており、機構の『新漢検』の通称は利用者の混乱を招く。使用しないよう求める」と説明。法的措置を取る予定は現時点でないという。一方、機構の松浦潔理事長は「一組織が日本語に関する検定を独占すること自体おかしい。先輩として、寛大な姿勢で理解してもらえると信じている」と話している。【伊藤一郎、藤田剛】