時事通信好きのメル友会期延長後の終盤国会に入り、与野党は衆院解散・総選挙へ向け政権公約(マニフェスト)づくりを本格化させている。先行する民主党は「政権交代」を前面に掲げ、年金制度改革や高速道路無料化など政権交代後に実現させる政策の肉付けを急ぐ。これに対し自民党は経済対策の実績や安全保障政策に重点を置き、あえて消費税率の引き上げ方針も示すことで「政権担当能力」を訴える方針。ほかの各党は両党の論戦に埋没しないよう独自色のアピールに知恵を絞っている。 自民党は9日、次期衆院選のマニフェストを策定するプロジェクトチーム(PT)の幹部会初会合を党本部で開き、公約づくりに着手した。PT座長に菅義偉選対副委員長を選出し、重点項目を調整するため10日に麻生太郎首相と協議することを決めた。 自民党がこだわるのは「政権担当能力」。社会保障財源として消費税率引き上げを含む税制の抜本改革に触れる一方、日米同盟を重視した安全保障政策なども打ち出し、民主党との違いをアピールする方針。 ただ、国会議員の世襲制限や厚生労働省分割をめぐる迷走もあって民主党より出遅れた面は否めない。特に民主党が先行する国会議員定数削減や世襲制限などで対抗することには党内から「民主党と同じ土俵で議論すると、違いがはっきりしない」(幹事長経験者)との懸念も出ている。 また、経済危機を背景に公共事業の拡充など歳出圧力も強まる一方。民主党の財源論のあいまいさを突いて政権担当能力を強調するはずが、「バラマキ合戦」に陥る危険性を指摘する声もある。消費税増税についても「有権者が嫌がり、選挙に勝てない」との慎重論がくすぶる。 対する民主党は昨秋に固めた素案を基にマニフェスト検討準備委員会を3日に設置した。年金一元化や高速道路無料化、子ども手当、高校授業料無償化などは07年参院選までに積み上げた政策で、同党を参院選勝利に導いた小沢一郎前代表のスローガン「国民の生活が第一」も踏襲。消費税率引き上げは明記しないなど、従来の骨格は維持する方向だ。 新たに柱に掲げるのが「各家庭の可処分所得の2割増」。民主党の重点政策を実施した場合の効果を分かりやすく国民に提示する狙いがある。 与党からのバラマキ批判には、徹底した「脱官僚」と「無駄遣い削減」で財源を生み出すとしているが、具体的な財源の明示は先送りする方針。直嶋正行政調会長は9日、「新しい日本をつくる国民会議」(21世紀臨調)との会合で「(重点政策は)最優先で実行する。財源がなくなることはない。従来の政策は実行しなくなるものがかなりある」と述べ、「予算の総組み替え」により政権交代以前の事業を大幅削減する考えを強調した。 |
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